面白かった。というか現在進行形で面白い。モンハンをワールドからやり始めてサンブレイクまでずっと楽しくプレイしてきたけど、同じことの繰り返しで飽きが来ている部分はどうしてもあって、似たジャンルでありつつ新鮮な体験をくれる何かに飢えていた。そういう期待を十分に満たしてくれるゲームだと思う。

以下モンハンとの比較がたくさんあるが、ゲームの性質上不可避と思って許してほしい。

ネタバレありです。

アクション

  • 使用武器は弓。下準備してからデカいの一発って感じが気持ち良いのと、回避アクションが長距離のステップで使いやすいのが好き。

  • 武器の扱いに習熟していくのはやっぱり楽しい。弓は持久力の管理が大事なのだと途中で気づいて、持久関係のスキルを積極的に積んだり、持久が切れたと思ったら発からの 5-way 射撃で攻撃しつつ持久を回復するみたいな立ち回りを覚えてから火力がかなり出せるようになった。あと基本的に 1 強化状態を維持しながら立ち回りつつ、相手が隙を見せたと思ったら即座に 2 強化目 → 乙矢と繋いだりできると使いこなしてる感あっていい。

  • からくりがある分、武器自体のアクションはわりとシンプルに作られている。自分はもうちょっと行動の選択肢があるほうが好みかな。攻撃ボタンの数はモンハンと同じ 3 つだけど、同時押しをほとんど使ってない分バリエーションが減ってる感じ。たぶんモンハンも初期作品はシンプルでその後複雑化してきたんだろうし、続編があるなら徐々に増やしていくつもりはあるのかなあ。

  • 基礎からくりの選択はけっこう悩ましい。火が単体であまりにも役に立たないからずっと匣・発・羽・杭にしてたけど、小型モンスター退治に炸裂玉が便利と知って、終盤から羽を火に変えた。からくりの有効な使い方はまだ全然把握しきれてなくて、これからいろいろ試していきたい。基本的に拘束系が便利だけど、轟雷砲とか使いこなせると楽しそうだよなー。

傘についての恨み節

  • 最初は並行して傘も使っていたのだけど、ジゴクザルに傘で挑んだら文字通り地獄を見たので引退を決意した。傘の調整があれでいいのかはかなり疑問…。火力が受け流しの成功に依存しすぎていて自分から攻める能力があまりにも低すぎるし、強敵相手にリスクを抑えた戦い方をしようと思うと本当にカスダメしか出なくて泣ける。動きのわからない相手には手も足も出なくて、「苦戦しつつもなんとか倒す」ってのが成立しないんだよね。

  • モンハンの太刀を考えてほしいんだけど、赤オーラの補正はワールドで 1.2 倍、最新のサンブレイクだと 1.12 倍で、見切りが一切成功しなくて大回転を当てられなくても最大火力の 8 割から 9 割は出る。それに比べると傘は段階上昇による全モーションの強化幅に加えて、三ツ星 (放り投げてグルグルするやつ) が解禁されたり連携が短縮されたりするのを考えると、最小と最大で 5 倍とか違ってもおかしくないんじゃないか。さすがにピーキーすぎるのでは…。

  • 発売以降バランス調整アップデートもされてるのに受け流しの受付時間はノータッチのようだから、あれが想定されたバランスなのかなあ。一応段階が低い時の火力はある程度強化されたみたいだけど。あと正直最大火力を維持できたとしても弓に比べてそんなに強いって感じはしなかった。弓が強すぎるだけ?

難易度・ゲームバランス

  • むずい!!!
    これ自体は決して文句というわけではないのだけど、このゲームむずくない!? 少なくともモンハンのストーリークリアまでと比べたらずっと難しい。

  • 基本的に敵の攻撃が痛い、回復の硬直が長い (モンハンみたいに途中で回避でキャンセルとかできない)、ガードが存在しない。攻撃の予備動作もモンハンほどわかり易くない気がする。極めつけは被弾時の無敵時間がほとんど (全く?) 無くて当たり前のように連続で食らうし、なんなら明らかにそれを狙っている攻撃まである。反射的に受け身をとってしまうせいでそうなるのかもしれないけど、フロムのソウルによくある、被弾後に最速ローリングすると確定で追撃もらうみたいな意地の悪さを感じる。

  • 上記は良くも悪くもゲームバランスの一部だけど、回復ボタンの反応が悪いとか、壁際カメラワークが最悪とか、カメラの見上げられる角度の限界が低すぎるせいで敵のジャンプ攻撃の挙動が全く見えないとかはただのマイナスポイント。

  • とはいえ難しいこと自体は歓迎で、ちゃんと敵の動きを覚えようという気になるし、世界観上の強敵がゲームでもちゃんと強敵で、倒したら達成感がある。モンハンだとスキルは火力重視にしがちで、ガード性能や回避性能も生存というより攻撃機会の増加のために付けてるけど、こっちだと純粋に死にたくなくて回復強化、回避強化、起死回生とか入れちゃう感じで、必死感あっていい。

  • 回避の無敵時間が長めで基本的にそれで避ける設計になってるから、メチャクチャな高速・広範囲・高威力攻撃とかさせてもちゃんとゲームになるのはいいところかもしれない。見た目も派手だし。こういうところもちょっとソウルライクっぽいかも。

  • 序盤のゲーム進行を見ても、モンハンワールドで最初に戦う大型モンスターのドスジャグラスがモーションゆっくりで隙だらけなのに対して、こちらのハナヤドシはすばしっこいし中距離からの突進攻撃も持ってて、この時点でわりと危険度高い。そして 3 体目にはあのクソデカ猪 (ヤマウガチ) と戦わされるというのは、なかなかスパルタンだなあと思わざるを得ない (ちなみにワールドの 3 体目はプケプケらしい)。自分はモンハンワールドですら苦労しながら進んでいたから、初めての狩りゲーがワイルドハーツだったらきっと投げてただろうな。

  • 苦戦した、かつ楽しかった獣ということで印象深いのは、やっぱりラセツ、アマテラス、アラガネ、シラヌイかなあ。ストーリーの山場でしっかり詰まっている。特にラスボス前の 2 体はどちらも強敵で、かつ既存の獣のコンパチじゃなくて嬉しかった。ジゴクザルは傘でやると地獄だったけど、初回は弓でやって普通に倒せたはず。

  • 連続で被弾してるとピヨるのはそんなとこまでモンハンの真似すんな!ってつい言いたくなってしまうけど、どうやらピヨるとつくもにターゲットが向きやすくなるらしく、ピヨったせいで死んだことは実はあまりなかった。

  • 基本的に難しい上にシステム周りで未熟な部分も多々あって、強めのストレスを感じつつも、それでも面白さのほうが上回るから続けちゃうみたいなゲームだと思った。エルデンリングの終盤ボスとか仁王の厳島神社をやってたときの感覚に近いかも。

ビジュアル・グラフィックス

  • 自分がやったのは PS5 版。

  • PS5 世代専用タイトルということで期待していたグラフィックスは、うーん…という感じだった。全体的にテクスチャ解像度が低いし、LOD の遷移やポップインがめっちゃ目立つし、60 fps で動いている以外は普通に PS4 世代のゲームという印象。なんなら普通にモンハンワールドのほうが綺麗なんじゃないかなあ。ワールドも PS5 なら 60 出ちゃうし勝ってる部分がない…。

  • あと全体的にオブジェクトやカメラが動いたときの残像みたいなのがひどい。細長い草が群生してる部分のブレブレ具合がやばいし、雨や雪が振ってると視界が最悪になる。最初はデフォルト ON になってるモーションブラーのせいかと思ったけど切っても多少マシになったかなくらいで、これは TAA の実装が悪いんではと思っていたら Digital Foundry も同じことを言っていた

  • 四季それぞれをモチーフにしたフィールドは綺麗で見応えあるし、3 章以降の侵食された景色は非現実で幻想的。それぞれのフィールドはかなり広いし高低差もあり、羽でふわふわ飛んだり飛蔓でピューって移動したりするのが楽しくて、「オープンなフィールドといえば」という期待にちゃんと応えてくれる。見えてるのに行けないところがちょこちょこあるのは残念だったかな。

  • よく出来ているからこそ、もっと高品質なグラフィックスで見たかった、もったいないと思ってしまう。

世界観・ストーリー

  • ストーリーは、特別興味深いとかドラマチックとかいうものではなかったかな。設定も話の流れもふわっとした感じ。そこに期待していたわけではないのでいいんだけど。

  • いろんな獣たちが互いに争っている原因だった、世界に天つ糸が不足しているっていうのは結局解決したのか? エンディングのあれで解決した? だとしたらなぜ?

  • 氏繁 (CV: 山路和弘さん) の演技が渋くていい。ストーリー全体のシリアスというか引き締まった雰囲気がこの人のおかげで保たれてる感じすらある。

  • このゲームクソどうでもいいサブクエで姫様殺しよったぞ?!??
    「はいはいどうせ生きてるんでしょ茶番茶番」って思いながら適当に会話聞いてたのに一向にそのオチが訪れなくて、続くサブクエでは仇の獣を倒して形見まで手に入ってしまった。それでも死体は見つかってないから生きてると信じていて、メインストーリーの行方よりそっちのほうが気になってたくらいだけど、結局今のところ続きは存在しないらしい…。

  • いくらなんでも悲しいし必然性も無さすぎる。メインストーリーでやるならまだしも、単なるサブクエでメインキャラクターの誰の心にも残らずひっそりと退場するだけって。屋敷に成果を報告しに行くたびに悲しい気持ちになるじゃん。この消化不良感どうしてくれよう。

その他、雑多なこと

  • ゲームのテンポや演出に関して、「狩猟の動機がストーリー上ちゃんと提示される」「フィールド上でイベントが進行する」「敵を自分の足で長々と追いかける」みたいな要素を見ると、ああライズじゃなくてワールドだなというのを強く感じる。開発の時期的にもワールドはかなり良く見て参考にしながら作ってそう。あとクニナラシはもうほとんどゾラ・マグダラオスじゃん。

  • ストーリー上ではだいぶ後のほうで戦うクロマトイが 1 章の古道にいきなり配置されてるの好き。メインの進行そっちのけで探索で見つけた強そうなモンスターに挑みに行って、最初は返り討ちに合いつつなんとか頑張って倒して、先回りして強い装備作ったったぞ!って満足に浸るみたいなの、いいよね。ワールドやり始めたときの感覚を思い出す。

  • グラフを自由に辿って能力を継承していく独特の武器強化システムもなかなかいい。「属性ごとに違う武器を用意してね」ではなく、「最高の 1 本を作るためにいろんな獣の素材が必要になるよ」という動機づけのほうが自分好みだと思った。自分は番えの妙 (弓強化アクションの時間短縮) が手放せない体になった。

  • 武器のアクションは一応からくり獣でチュートリアルがあるけど、各アクションの解説とか派生一覧とかがゲーム内で見たい。弓の曲射の使い方は途中までわからなかったし、傘のグルグルするやつはどう考えてもメイン火力なのに教えてくれないのはどうかと思う。そこで攻略サイトを見るという手段は、見たくないものまで見えてしまう可能性があるから避けたいんだよね。

  • 敵が逃げる頻度がやたらと高いと感じるのは、HP が一定量を切ったら必ずエリチェンするようなルーチンになってるからだろうなあ。モンハンみたいにちゃんと火力を出せばエリチェンさせずに倒せるみたいなのが成立しづらくてよろしくない。

  • モンハンもそうだけど、なんでこの手のゲームはラスボスがこういう変な感じになっちゃうんだろう。これまでやってきたのと全然違うゲームを急にやらされる感じ。特に拘束系のからくりが全然効かないとかゲームの否定じゃん。最後なんだから最高に強くて最高に楽しくて、そのゲームの集大成といえるような獣と戦わせてほしいよ。

  • 持久力の表示がキャラクターとエフェクトに埋もれて見づらい。なんで回避出ないの?って思う瞬間の大半は持久切れなんだろうけど気づかんのよ。

  • マルチでホストになった後、他人の使った結とかいうからくりが自分のフィールドに残るのが邪魔。